花子は今日も書く

書かないと死んでしまう。人生からくだらない毎日まで、徒然なるままに

07 まともな恋愛

●3年付き合ったSさん
花子がまともな大人らしい恋愛をしたのは、今とその前の2度きりだと思う。
2歳年上のSさんは、幼馴染の紹介で出会った。それまで紹介で会った人はいたが、後にも先にもすぐに意気投合したのは、彼だけだった。飲みに行ってもとても楽しかった。

大手に勤務し、自分にも厳しい彼は人にも厳しかった。太ることを許さなかったし、手は出さない代わり、言葉の暴力もすごかった。それでも好きだった。

仕事の愚痴を全くこぼさず、プライベートでも勉強し、倹約的に生きる彼を尊敬していた。もし喧嘩をしたときに壁に穴があいて、ガラスが割れるなんて事件が無ければ、別れることもなかったのではないかと思う。

別れてから、しばらくは2人で飲みにいったりした。2人で話すのはとても楽しかった。時にヨリを戻してもいいのではないかと思う時もあったが、壁にあいた穴が忘れられなかった。そのあと今の彼に出会って、Sさんと会うことはやめた。花子以外にこんなに腹を割って話せる人はいないから、とずいぶん渋られたが、今の彼に不義理になるから、と今の彼と付き合うことになってから一切連絡をとっていない。Sさんは、心の友であったとも思う。お互い若かったし、そのぶんよく喧嘩をした。(仲直りが下手くそだった。)

花子にとって初めて好きで長く付き合った人だった。結局3年付き合って、結婚目前にして別れてしまった。あのとき別れていなければ、もう子どもがいたのかもしれないと思う時がある。(それが幸せだったかどうかはともかく)。


●一人暮らし

Sさんと付き合う直前ぐらいに、花子はついに実家を出た。
これが衝動的な行動で、家にいることに耐えられなくなったことが原因だった。奨学金も大学への学費も抱えて、まだアルバイトから毛が生えた状態で、資金もなかった。1か月近く、知り合いの家に泊めてもらったり、点々としたが、ついに50万円の借金を抱えて出ていくことになった。

家電付きのワンルームマンションだったから、50万円も要らなかったのではないかと思うが、当時は逃げることが精一杯で頭がまわっていないうえに若かった。この50万円はカードローンで工面した金で、利息が18%とひどい高利だった。この50万円が、後後重荷になってしまう。Sさんと付き合い始めたころも、この借金のことが話せず、どうしてそんなに貧乏なんだと言われて答えに窮したこともあった。

さらに、借金までもっている自分が駄目な人間そのものに思えて、家から逃げることが出来た解放感に溢れていた半面、自尊心はさらに低くなることになった。

一人暮らしを始めて1年後、Sさんと同棲生活を送るようになり、生活はずいぶん楽になった。